2013/12/31: 哀れなり APSフィルムカメラ (No.1821)

2013年も大詰め。カメラの掃除もしておくか・・・

デジタルカメラで、APSサイズというのがあります。あのAPSって何か分からないと言う方もデジカメを使いはじめていますね。正確にいうと、殆どのAPSサイズ受光素子はAPS-Cという大きさです。これは面積でいうと、35mmフィルムのフルサイズの半分。昔、オリンパス・ペンなどが採用した大きさです。当時、これで半截のプリントが出来るかどうかということで、研究しました。結論は「微粒子フィルム」を使えば可能。「ミニコピー」というコントラストの強い特殊なフィルムを、自製の現像薬で軟調現像して、「どうだー」と威張ったことを思い出しました。

APSというのは、「Advanced Photo Syestem 」の略称。富士フイルム、イーストマンコダック、キャノン、ニコンの四社が共同開発した、新しいフィルムシステムだったのです。1996年4月にカメラとフィルムが同時発売されました。それまでの35mmフィルムより巾の狭いフィルムを専用カセットに入れ、そのカセットごと現像に出したり、現像済みのフィルムもカセットごとしまっておく・・つまり、フィルム面には触らないという思想を実現したシステム。しかも、フィルムの端の方には磁気記録が出来て、そこに撮影時のデーター記録を残しておけるという画期的なものだったのです。デジカメにはこのデータ記録のアイデアはそのまま引き継がれましたね。

画像サイズは、3通りあって、APS-Hというのが、30.2×16.7mm・・ハイビジョン寸法比です。その上下をスライスしてしまったAPC-Pというのが、パノラマサイズ、また、横をスライスして、縦横の寸法比をフルサイズと同じにしたのが、APS-C、23.4×16.7mm。Cはクラシックだったと思います。

このAPS-C が、デジタルにも使われているAPSサイズの原型です。キャノンのEOS1が出来た時は、APS-Hにもこだわりがあったようで、28.1×18.7というような大きなCMOSをつけていたような記憶・・・

それはさておき、2013年には、ついにAPSフィルムの製造が打ち切られました。APSは、わずか17年の寿命でした。私の手元に残った2台のAPSカメラは、手元に残った1本のフィルムだけで、生命を終わります。「哀れなり APSカメラ」

APSカメラが登場した時、「どう思う?」と聞かれたことがあります。「多分、失敗するだろうな」と返事したのは、デジタル化という将来を明確に予測したわけではありません。一方で、1986年に発売された「写るんです」に代表される「レンズ付きフィルム」が、凝らないカメラマン(?)のカメラに定着していたからです。一眼レフでちゃんとした写真を写そうと考えているマニアには、フィルムサイズが半分になったAPSの画像に満足するはずがない。そうすると、どういう層に供給しようとしているのか? どうも、焦点が定まらないのです。 詰まるところ、カメラを小型に出来るというポイントを活かすしかないけれど、35mmフルサイズにローライ35というコンパクトカメラが存在しているし・・・・、案の定、マーケットは新しいものに飛びつく物好き層に慣れられると、頭打ちになってしまったようです。

そこまで分かっているのに、なぜ買った? と笑われるでしょうね。でも、木瓜爺の買ったAPSカメラは、ただ者ではないのです。もし、これにデジタル受光素子が付いていたら、これ一台で撮歩をするでしょう。もう一台は特殊用途ですが・・・

APSカメラの「この世の名残」に、紹介させてください。

これは、CanonのEOS IXE というカメラです。一見、大目玉でソニーのNEXなどを思い浮かべるかも知れませんが、ボデーの大きさは、132.2(W)×79.5(H)×58.5(D)mm

れっきとした一眼レフです。ミラーレスなどという小細工はしていないのです。ストロボも内蔵しています。ただ、ポップアップの高さが少々不足だったので、記念写真の時などは、35mmのキャノンレンズを付けて使いましたが・・そうなのです、レンズ交換式で、キャノンマウントがそのまま使えました。

レンズを外せば、ほらミラーがあるでしょう。EVFにだまされることはありません。そればかりか・・・

分かりますかねえ?シャッターボタンの回りが回転式のスイッチになっているのですが、今あわせてあるポジションは「視線入力 ON」です。オートフォーカスで、撮影者の目玉が見ている場所にピントを合わせてくれます。「視線入力AF」というものでした。木瓜爺の場合、老眼鏡を掛けるようになってからは、精度が悪くなってしまいましたが・・・ 下は「モード」ダイヤル。「DEP」というのがあるでしょう。これが不思議な機能で、ピントの合う範囲を決めて写す仕掛けなのです。たとえば、複数列になってしまった記念写真で、最前列から最後列までをぼけないように写すためなどに使うのです。「CAL」というのは、視線入力のための校正です。

シーンセレクトも付いています。

細かい所ですが、バッテリーboxを開くと、ちゃんとCR123Aを2本いれろと彫ってありますね。

この頃のデジカメには、電池の名前など書いていないでしょう?

フィルムは、左肩のOPENの所を開いて入れます。

ここにマガジンポンです。フィルムは自動的に引っ張りだされ、撮影が終わると元に戻っています。

キャノンのAPS一眼レフはこれが最高峰。無駄を廃した機能的な素晴らしいデザインだと思っています。木瓜爺はSP以来のニコン党ですが、ニコンのAPSは買う気がしませんでした。なぜなら、ニコンはレンズマウントをAPS専用にしてしまったのですね。

APSカメラの完成型としても、このカメラは歴史に名をとどめる筈だったのですが・・・悲しいなあ・・・記念に一枚アップロードしておきます。APS-Hの画像です。おなじみの姨捨風景

田植え02 b

もう一台のカメラもキャノンのものですが、「防水カメラ」IXY D5 です。これは、「孫達と海水浴に行くとき用」として購入したのですが、使う機会に恵まれず、とうとう無駄遣いに終わってしまいました。

たしか、台風か何かの時に、雨の中で試し撮りしたなあ・・・

このまま5m位潜って写せるカメラです。滑らないように、握るところにボチボチなどつけています。空中では28mmレンズだったかな。

底面をパカッとあけたところです。回りにOリング的にゴムがめぐらされています。フィルムや電池はもう一つ開けないと交換できません。こんな具合になるのです。

小型のカメラの外側に、防水ケースを被せたような構造、これはAPSの狙いであった「小型化」の特徴をよく活かしたものですね。ちょっと分厚いですが、大きさはコンパクト・カメラの範囲でした。

現実に戻って、この2台どうしようかなあ? 博物館に寄贈するにはちょっと新しすぎるし、しまっておいても、使い道がないし・・・どちらも、電池をいれればカメラとして働くのですが、フィルムが残り1本です。1本のために、電池を買ってくるのはもったいないし・・・

さて、除夜の鐘をどこで聞こうか? 初日の出をどこで写そうか? もうすぐ、孫達も顔を見せるでしょう。

では、良いお年を!

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2013/12/31: 哀れなり APSフィルムカメラ (No.1821) への1件のフィードバック

  1. tkutsu より:

    私のF社当時からカメラを続けているようですね。 素敵です

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