2016/03/12: 昔のカメラは面白い;HASSELBLAD 500 C (No.2622)

木瓜爺のブログで、もっともアクセスの多いのは「哀れなりAPSフィルムカメラ」という記事なのですが、これはどこかにAPSフィルムを売っていないかと検索する「哀れなAPSカメラ所有者」の検索によるものでしょう。とにかく、現状では見込み有りませんから、あきらめましょう。この頃は、「フィルム」そのものが段々入手困難になり始めています。地域によっては、「ヨドバシ」や「ビッグカメラ」などの通販で購入するしかない所も現れています。

今日は、木瓜爺のカメラ収納庫の中で住んでいて、五年に一回ほどしかお呼びが懸からないけれども「現役」であるフィルム用カメラ、ハッセル500Cを紹介しましょう。

東京オリンピックがあった1964年頃、木瓜爺はまだ結婚前の独身貴族(?)で、写真に凝っていまして、35mmフィルムはニコンSP、6×6版はゼンザブロニカを使っていました。オリンピックが終わってすぐに結婚しましたが、新婚旅行にはこの二台を担いで行くという、新妻無視(?)の旅をしています(実際は、モデル代わりに、あっち向け、こっちむけ・・)。

2621-01-F2739それから何年かして、単身赴任で香港に行きます。細かいことは忘れてしまいましたが、そのときブロニカは処分して金にかえて行ったはず。ニコンSPの方は先輩に譲って、その代金でミノルタの一眼レフと、何本かの交換レンズを購入して行ったようです。一眼レフで写した写真からは、16mmの半魚眼から、コムラ-というレンズメーカーの200mmレンズまで揃えていたようです(香港のカメラ雑誌に投稿した写真からの推定)。ただ、当時はズームレンズは一般的ではなかったので、焦点距離的には飛び飛びです。話を戻して、6×6の方は、ブロニカの兄貴分(?)のハッセルを買おうと思って出かけたのです。しかし、物品税のない香港でも、ハッセルは流石に高くて、実際に入手出来たのは一年後、ボーナスを貰ってからでした。ですから、1969年頃の入手です。この、「500C」というモデルは1957年から1970年まで造られていましたから、末期の物と云うことになります。このあと、「500C/M」というモデルが500CM発売され、日本でも爆発的に普及しました。つまり、せっかく入手したのに、日本に帰ったら「旧式モデル」になっていたのです。「500C/M]は1970年から1989年まで製造されています。写真がないので、500C/M の紹介記事から、無断借用させてもらいます。私レベルのユーザーにとって最も大きな違いは、フィルムの巻き上げ(シャッターのチャージを兼ねている)がクランクシャフトになった点でしょう。その他にピントグラス付近の交換に工具が不要になったと聞きました。この写真のボデーでは、クランクが畳まれた状態になっています。500Cの方はノブ(つまみ)だけなのです。見比べていただければ、分かるでしょう。

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後ろの方にあるクランクは、取り終わったフィルムを全部軸に巻き取る作業用です。このカメラは、一眼レフです。蓋をあけて、上から覗いてピントを見ます。冒頭の写真は蓋を開けた所です。ここを、ペンタプリズムに取り替える事もできますが、木瓜爺は資金不足でそこまで買えませんでした。ボデイの左側の銘板に「500 C」と書かれています。

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横から見たついでに、分解して行きます。此の写真で右端の部分は、フィルムが入っているA12というマガジン部分です。このマガジン部分をいくつか持っていると、異なるフィルムを一台のボディで、取り替えて使えるのです。ただし、いきなり外すと、フィルムが感光して駄目になりますので、防光壁を造ります。

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この一枚のステンレス遮光板を差し込むのです。奧まで入れてから、上にあるスライド式のボタンを操作してロックを外し、分離します。2621-07-F2747

こうなるわけですね。

先ほど、ペンタプリズムに取り替えることが出来ると云いましたが、こんな風になります。蓋を外した部分に、ペンタプリズムを装着するのです。

2621-08-F2749なお、このA12というのは、120という十二枚撮りのフィルムを入れるマガジンで、220という二十四枚撮りを入れるのがA24というマガジンになります。A122621-09-F2752の中身を引っ張り出しますと・・・こんなものが入っています。今何も無い左の方に、新しいフィルムを入れ、リーダーという裏紙を引っ張って、下の方に回し、右に用意されたフィルム軸の隙間に差し込んで、フィルムをセットするのです。なお、このA12というマガジン部分だけで、5万何千円しますから、貧乏人には大変です。入門用デジ1が買えてしまうので2621-10-F2754す。マガジンの背中を見てください。ハッセルのマークがついた部分はフィルムの箱を切り取って、挟み込めるようにしてあります。このマガジンには何が入っているか識別するためです、それが無いときには、ASAの数字をちょっと爪が痛いのですが、歯車みたいな部分を回して表示出来ます。

そうそう、ハッセルの500は、レンズシャッターつまり、シャッターがレンズについています。同じハッセルでも1000というモデルは、ボディにシャッターがある「フォーカルプレーン・シャッター」です。レンズの機構が全く違います。ちょっとその辺をお見せしましょう。

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このCF80と呼ばれるレンズ、正しくはCarl ZeissのPlanar 1:2.8 f=80mm ですが、fは2.8 ~22    シャッター速度は一番短くて1/500 秒、スロー側が面白いのですが、それは後にして、レンズ周りの赤い数字を見てください。これは・・ど忘れ! 待ってください思い出します・・・「ライトバリュー」だった! 露出計で読んだライトバリューを△に合わせてセットすると、絞り-シャッター速度の関係を適切な組み合わせのまま変化出来るようにしてあるのです。

シャッター速度の上限が1/500秒というのは、現代では物足りませんが、当時はフィ2621-14-F2777ルム感度ASA25~400位ですから、これでも十分高速だったのです(レンズに組み込むメカニカル・シャッターの限界でもあったのです。)。その代わり、低速側が凄いのです。分かりますか?緑の数字で125と有りますね。これ1/125秒ではなく、125秒なのです。つまり2分ちょっとです。

開けっ放しにするTというのが別にありますが、シャッターを押している間ずっと開いているB(バルブと呼んでいました)がついていないので、こういう125秒を用意したのでしょう。 シンクロ接点が写っていますね。MXVなんて文字が見えますが、Mはフラッシュ電球用、Xがストロボ用の切り替え、Vというのは意味が違ってセルフタイマーのセットだったと思います。それにしても、ピント合わせの時はシャッターが開いていて、シャッターを押す前に一旦閉まり、ミラーが上がった時に、シャッターが開いて、直ぐ閉まる。忙しい話です。写し終わった状態ではミラーは上がったままになっていますので、横のノブを回して、フィルム巻き上げをしながら、ミラーを下ろします。この作業の中で、バネに力を蓄える・・ゼンマイを巻いているという表現が分かりやすいかな? シャッターのチャージというような言葉で表現します。

ピント合わせはレンズの付け根のリングを回します。10 15などの数字が見えるリングです。下の写真では∞の見えるリングです。木瓜爺が此のレンズの一番好きな部分を紹介して終わりたいのですが、うまく写っていないなあ・・・

2621-11-F2758この写真で赤い所がありますね。左右にありますが、これは焦点深度の表示マークです。それは、ともかくとして、向かって左の赤マークの奧にネジの頭が見えます。その手前の部分、鏡胴に線がついているのが分かりますかねえ? これが好きなんです。この線「けがき」と云いましてね、ビス穴の位置を、ここだよ、と目印に付けたものだと思うのです。昔の金属の手加工でよく使われました。こんな人間味を残したレンズは、今は見つけられないでしょうね。

手持ちの500C用レンズは、もう一本、Distagon 4/50 が有ります。広角レンズです。これは、日本に戻ってから暫くして買ったもので、500C/Mになってからのレンズのようです。けがきなどは見あたりません。

2621-13-F276880mmプラナーは、絞りが浅いところでは、ポートレート向きの柔らかい描写のレンズです。絞り込むとピシッとしたキレコミを見せます。狙いによって使いわけの出来るレンズでした。50mmディスタゴンは、カチンとした切れのよいレンズだったと思うのですが、使用頻度が少ない所為か、記憶があやしくなっていますので、カメラの日光浴ついでに確認してみます。
50年経ったら、ビンテージだよ、なんてカメラ屋さんにおだてられたのですが、このカメラそろそろ50年です。一度、フィルム巻き上げ部分に「ガタ」で出て、修理してもらったので、機能的には健在のようです。シャッターもちゃんと働いています。たまには実写をし、露出の具合を見ることで、シャッターが遅くなったりしていないかをチェックしています。そろそろ、テストの時期だなあ・・と、思い出してブログ種にしました。なぜ、機能を保ってほしいかというと、これは「宝くじにでもあたったら、デジタルカメラとして使いたい」からなのです。A12の部分を、CVF50Cというデジタルの素子に替えればそれが出来るのです。ただし、価格が前に調べた時は150万円でしたか・・・これはハッセルの純正品。別のメーカーで、87万位のがあったように記憶していますが、或いは試作段階の試し売りだったかも。 (今日インターネット上の広告を見ましたら、997,200円のキャンペーンをしていました)。

なお、6×6という四角な画面は、645と違って、カメラの縦位置・横位置を考えないですむという見方もあります。つまり、縦位置か横位置かを決めて、トリミングするのです。

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